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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.09.27
今日の言葉

悪いことをせず、よいことをする

先日は禅文化研究所に行ってYouTubeの撮影をしてきました。

八月はお休みしていましたので、久しぶりであります。

禅文化研究所のYouTubeチャンネルで、ただいま墨蹟紹介と、山田無文老師の『般若心経』を読むというシリーズを公開しています。

こちらのYouTubeチャンネルではコメントも書けるようになっていますので、皆さんのコメントを拝見するのも楽しみであります。

墨蹟紹介は、禅文化研究所が所蔵している墨蹟を選んで紹介しています。

絵を紹介する時と、禅語などの書を紹介するときと交互に行っています。

先日は書を紹介する時でしたので、万寧玄彙禅師の書を紹介しました。

万寧禅師というとあまり知られていませんが、白隠禅師の系統の老師であります。
一七九〇年に生まれ、一八六〇年にお亡くなりになっています。

江戸期の終わりの禅僧です。

白隠禅師のお弟子に峨山慈棹禅師がおられ、そのお弟子に隠山禅師と卓洲禅師のお二人がでられました。

隠山下、卓洲下と称されています。

『禅学大辞典』には卓洲下について、「天竜、相国、円覚寺を中心として峻厳な禅風をほこる隠山下に対して、卓州下は南禪、建長、建仁寺を中心にして温厚寛容な禅風を特色としている。」と書かれています。

隠山下を峻厳な禅風、卓洲下を温厚寛容とされています。

その隠山禅師のもとから太元禅師と棠林禅師のお二方が出られました。

太元禅師は岡山の曹源寺に住されて、この方のもとに儀山禅師がおられます。

儀山禅師のもとから後の円覚寺に住された洪川老師が出られています。

また儀山禅師のもとから滴水禅師が出られて、こちらの系統が天龍寺や相国寺の禅につながっています。

儀山禅師のもとから越渓禅師が出られて、妙心寺僧堂の系統になっています。

そのもう一方の棠林禅師のもとからは雪潭禅師が出られて岐阜県伊深の正眼寺に僧堂を開かれ、正眼寺僧堂の禅につながっています。

その棠林禅師の法を継がれたのが、万寧禅師です。

私が出家したお寺である白山の龍雲院に住された南隠老師は、この万寧禅師のもとで出家されています。

万寧禅師は、岐阜県のお生まれで、棠林禅師の法を継がれて妙心寺にも住されています。

岐阜の瑞龍寺で修行僧の指導もなされていました。

この万寧禅師が「諸悪莫作、衆善奉行」と書かれた二行の書を紹介したのでした。

この諸悪莫作は「七仏通戒偈」の中の一句です。

七仏通戒偈とは岩波書店の『仏教辞典』に

「<通戒><通戒偈>ともいう。

過去七仏が共通して保ったといわれる偈で、仏教思想を一偈に要約したものとも見なされる。

漢訳で、「諸悪莫作、衆善奉行、自浄其意、是諸仏教」〔法句経183〕といい、「もろもろの悪をなさず、すべての善を行い、自らの心を浄めること、これが諸仏の教えである」の意。

「凡(およ)そ仏法の大綱は諸悪莫作、衆善奉行、自浄其意、是諸仏教と云へり。大乗の学者是れにそむくべからず。七仏の通戒なり」〔沙石集4-〕

と解説されています。

過去七仏というのは、お釈迦様の前にも六人の仏陀がいらっしゃたとして過去の七人の仏さまを言います。

毘婆尸仏(びばしぶつ)、尸棄仏(しきぶつ)、毘舎浮仏(びしゃふぶつ)、拘留孫仏(くるそんぶつ)>、拘那含牟尼仏(くなごんむにぶつ)、迦葉仏(かしょうぶつ)、そして釈迦牟尼仏の七仏であります。

『仏教辞典』には、

「釈尊以前のはるか遠い昔から、これらの諸仏によって順次説き継がれて来たものであるという。」

と解説されています。

法句経にも七仏通戒の偈に相応する言葉があります。

すべて悪しきことをなさず、善いことを行ない、
自己の心を浄めること、
ーこれが諸の仏の教えである。

(法句経183『ブッダの真理のことば 感興のことば』」
です

まず第一句の「諸悪莫作」は諸の悪をなさずですから、戒を守ることになります。

在家ですと五戒を守ります。

五戒とは、

第一不殺生 命あるものをむやみに殺さない
第二不偸盗 人のものを盗み取ることをしない
第三不邪淫 道に逆らった愛欲を犯さない
第四不妄語 嘘偽りを口にしない
第五不飲酒 酒に溺れて生業(なりわい)を怠ることをしない

の五つであります。

十善戒を実践することでもあります。

十善戒とは

第一不殺生、すべてのものを慈しみ、はぐくみ育て

第二不偸盗、人のものを奪わず、壊さず

第三不邪婬、すべての尊さを侵さず、男女の道を乱すことなく

第四不妄語、偽りを語らず、才知や徳を騙(たばか)ることなく

第五不綺語、誠無く言葉を飾り立てて、人に諂(へつら)い迷わさず

第六不悪口、人を見下し、驕(おご)りて悪口や陰口を言うことなく

第七不両舌、筋の通らぬことを言って親しき仲を乱さず

第八不慳貪、仏のみこころを忘れ、貪りの心にふけらず

第九不瞋恚、不都合なるをよく耐え忍び怒りを露わにせず

第十不邪見、すべては変化する理を知り心を正しく調えん

の十の戒です。

「衆善奉行」は良いことをするのですが、具体的には六波羅蜜を実践することです。

六波羅蜜とは、

一番目は布施、施しです。何かを施してあげることです。

物を施すだけでなく、言葉をかけてあげることも施しであり、笑顔をふり向けることも施しです。

二番目は、持戒で、良い習慣を保つことです。

三番目は、忍辱で、堪え忍ぶことです。

どんな辛いと思っても一時の事だと冷静に今の状況を受け入れることです。

四番目が、精進で、怠らずに努め励むことです。

五番目が、禅定で、心を静かに調えることです。

六番目が、智慧で、正しくものを観ることです。

自浄其意 とは、心を浄めることですが、これは禅定などによって自らの心を浄め、他者の為に尽くすことでもあります。

それは四無量心の実践でもあります。

四無量心とは、「慈・悲・喜・捨」の四つの心です。

慈しむ心の「慈」、相手の苦しみや悲しみと同じ心になる「悲」、相手が苦を離れ楽を実現することを喜ぶ「喜」、どのような人にも差別なく平等に接する「捨」の四つの心です。

鳥窠道林禅師に白楽天が仏法とは何かと問うと、道林禅師は、「諸悪莫作、衆善奉行」と答えられました。

そんなことは三歳の童子でも言えると言った白楽天に道林禅師は、三歳の子供でも言えても八十の老翁でも行うのは難しいと答えています。

実にこの七仏通戒偈は仏道のすべてでもあります。

 
横田南嶺

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