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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.08.25
今日の言葉

楽しむイス坐禅

先日は午後六時半から都内の会議室でイス坐禅の会を行ってきました。

もう三年目になっています。

全体の約八割の方がリピーターです。

おそらく楽しみにして続けてくれているのだろうと察します。

私自身も、毎月のイス坐禅が楽しみになっています。

どんなことをやってみようかとあれこれ工夫するのが楽しいものです。

その日は、ちょうど週刊女性という週刊誌が発売されて日で、その週刊女性にイス坐禅のことが見開き二ページで紹介してくれていました。

イス坐禅の会場にもお持ちして見てもらいました。

わずか二ページですが、よくまとめてくれています。

いつもイス坐禅の要領は、

一、首と肩の調整

二、足の裏、足で踏む感覚

三、呼吸筋を調整

四、腰を立てる

の四つを丁寧に一時間近くかけて行って坐るようにしています。

今回は、いつもと違うやり方を試みてみました。

そんな時間をかけてほぐすヒマはないという場合があります。

むしろそんな時の方が多いのです。

仕事で新幹線に乗ることになったという時に、そんな丁寧に首や肩をほぐしている時間も場所もありません。

すぐに調う方法として、三つをあげました。

それが、足、腰、頭頂の三つであります。

この三つを意識さえすればすぐに調うです。

ただ意識だけだと、やりにくいので、それぞれに道具を使いました。

腰については、鼠径部に割り箸を挟んで坐るという方法をとりました。

股の付け根、鼠径部に割り箸をきゅっと挟んで坐ると、腰が立ちます。

足については、足のうら、踵と土踏まずの間あたりに、小さなビー玉を踏んでもらうようにしました。

そして頭には、ペットボトルをタオルでくるんで乗せてもらうようにしました。

ビー玉、割り箸、ペットボトル、このどれもが違和感があります。

しかしこの違和感によって、そこに自然と意識が向きます。

足の裏にビー玉が挟まっている違和感を感じると、足の裏に意識が向くのです。

割り箸を挟むので股関節の引き込みが自然とできます。

すると自ずと腰が立ちます。

頭の上に物を載せているので、この違和感もあります。

とくに頭に物を乗せると、下の方へと重力がはたらきますので、それに対抗して身体の内部から押し返そうとする力が作用します。

これが身体の中心軸を作ってくれるのです。

違和感がある状態にしておいて、しばらくしてビー玉、割り箸、ペットボトル、それぞれを外してもらいます。

そのまま坐ります。

そうしますと、身体にその感覚が残っていますので、足で地面を踏んでいて、股関節を引き込んで腰を立て、頭を天井の方に押し上げるように自ずとなっているのです。

そしてそのまましばし坐りました。

もう八割のもの方がリピーターでイス坐禅に慣れてくれていますので、わずかの時間でも調うことができます。

八割の方が調って坐ると、その場の空気ができます。

その中で坐っていれば初めての方も自ずと調って坐ることができます。

みなさんとてもきれいに坐っていらっしゃいました。

そして、そのあとはいつものように肩や首をほぐしてゆきました。

ペットボトルを用いた方法で肩周りをほぐすようにしました。

首も伸ばして、肋骨あたりを廻旋させて、テニスボールを使ってお腹をほぐすようにしました。

それから足裏、足の指に力をいれるようにしてみました。

それだけやると十分に調ってきます。

そうしていつもの腰を立てる動きをして、坐りました。

はじめに坐ったのもいいのですが、やはり四十分ほどかけて身体をほぐして坐ると一段と深まります。

そののち少し話をしました。

アンケートで質問を受けるようにしていますので、それに答えてゆきました。

「修行中の僧侶たちに『もっと修行したい!』と思わせることに心を砕いておられると仰っておられました。

具体的に、どのように修行僧の方々に接しているのでしょうか?『もっと修行したくなる』工夫はどのようになさっているのでしょうか。」

という質問がありました。

これは前回、坐らせることよりも坐りたくなるように工夫しているのだとお話したことをうけての質問であります。

まずは自分自身が修行することを楽しみ、喜んでいることです。

これが一番大事です。

そういう気持ちが一番伝わると思います。

それから、いろんな講師を招いて学ぶことです。

自分いいと思ったことでも、相手によってはピンとこないこともあるものです。

人は何に心が動くのか、様々なのです。

そこでいろんな先生にいろんな方法を教わって、自分にあったものを見つけてもらうように努力しています。

イス坐禅の会でもいろんな方法を試すのは、その中で自分にあったものを選んでほしいからであります。

そのあとしばし休憩をして、後半の坐禅に臨みました。

その折りには、歩かずにその場で、ただ踵を呼吸に合わせてあげたり下ろしたりします。

これが経行のかわりになるのです。

足で呼吸するということが味わえます。

後半の坐禅では久しぶりに軟酥の法を丁寧に行ってみました。

頭にペットボトルやテニスボールをタオルでくるんで載せてもらうことを行っていましたので、それがそのまま素晴らしい軟酥の妙薬だと思うのです。

頭に物を載せた感覚が残っているので、やりやすかったのでした。

これもガイダンスをしながら、自分自身が軟酥の中に全身まるごと浸っているようになりました。

まるで自分というかたまりがすっかり溶けてしまったような感じでありました。

実に自己が空になる心地よさであります。

かくして毎回楽しむイス坐禅なのであります。

 
横田南嶺

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