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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.07.17
今日の言葉

まだまだ足りない懺悔

毎月二回、修行道場で布薩を行うようになって、もう何年にもなります。

八年くらいになるかと思います。

臨済寺の阿部宗徹老師に教わって始めたのでありました。

もともと布薩は新月と満月の日に行うものであります。

なかなか修行道場の行事との兼ね合いで、厳密に新月と満月というわけにはゆかず、だいたい月の中頃と終わり頃に行っています。

最近は、須磨寺の小池陽人さんもご自身のお寺でお勤めくださっているようであります。

小池さんは新月と満月の早朝になさっているようであります。

七月は十一日に行っていました。

これは奇しくも満月でありました。

これは全部で百の礼拝ができるようにしています。

私は、この布薩の前に、自分自身の行としてチベット式の礼拝を百八行っています。

ですから布薩の日には、チベット式礼拝百八と、それから布薩の礼拝を百行うことになります。

もう何年も行っていますので、すっかり習慣となっています。

最近は、建長寺派の和尚さんが関心を持ってくださってよく参加してくれています。

またこの頃は他宗派の和尚さんもご参加くださっています。

かなり遠方からお見えになる和尚さまもいらっしゃっていつも恐縮しています。

それと同時にこうして朝早く礼拝行をして布薩をしようという和尚さんがいらっしゃることは、日本の仏教にとって大きな光だと感じています。

修行道場で行う布薩では礼拝行にも重きをおいています。

懺悔の礼拝を繰り返します。

盧舎那佛から始まってお釈迦様、文殊菩薩、弥勒菩薩、そして代々の祖師方のお名前をお唱えして礼拝するのであります。

一心頂礼、南無千光王座釈迦牟尼仏と唱えて、そのあと

慚愧懺悔六根罪障滅除煩悩滅除業障

と唱和しながら礼拝をします。

この懺悔の礼拝を繰り返します。

慚愧というのは一般にも使われる言葉です。

恥じ入ることです。

慚愧に堪えないと使うことがあります。

『広辞苑』には、
「慚愧懺悔」という言葉も載っています。

「慚愧懺悔」は「懺悔」に同じとなっています。

「懺悔」の「懺」は梵語クシャナの音写であります。

「悔」はその意訳だと解説されています。

「慚愧懺悔」と熟して用いることが多かったために、ザンギの影響で濁音化して江戸時代にザンゲとなったかというと書かれています。

過去に犯した罪を神仏や人々の前で告白して許しを請うことが意味であります。

慚愧を岩波書店の『仏教辞典』で調べてみると、

「恥じること。

自らがおかした悪行を恥じて厭い恐れること。

<慚>は自らをかえりみて恥ずかしく思うこと、<愧>は他人に対して恥ずかしく思うこととされる。

なお、わが国でこの語の中世的用法として<慚愧す>の形で非難する意に用いられた例が散見するのは、他人の行状ながらわが事のように恥ずかしく思うの意からの転か。」

と書かれています。

「懺悔」については詳しく書かれています。

「<悔過(けか)>ともいい、自ら犯した罪過を仏や比丘(びく)の前に告白して忍容を乞う行儀。

<懺悔>または<悔過>と漢訳されたサンスクリット語は種々ある。

中国仏教では、忍んで許してくれるよう乞う意の<懺摩(さんま)>と、過去の罪過を追悔する意の<悔>との合成語とする。」

と解説されています。

更に

「律では満月と新月の説戒に、夏安居の終了日に、戒本を誦し、違反した罪を一人(対首懺)ないし4人(衆法懺)の大僧に告白した行儀で、(他に対して告白する)と称した。

阿含経では釈尊に罪を告白して許しを願った例が多く、大乗仏教では十方仏や諸仏を礼して身口意三業の罪やあらゆる罪過を発露し懺悔する行儀となり、中国ではこれが特定の儀礼となって懺法の儀則が成立した。」

と書かれています。

有名な東大寺のお水取りも悔過の儀式であります。

修二会とも言います。

東大寺修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)法要」です。

十一面観世音菩薩の前で、懺悔することを意味しています。

修二会についても『仏教辞典』には、

「<修二月会>の略。インドでは卯の月(中国の旧暦2月)を、中国は寅の月を年初とすることから、中国の2月はインドの正月に当たるので、修正月(修正会(しゅしょうえ))に準じて仏へ造花を供えて供養するのだといわれる。

奈良時代には東大寺をはじめ南都七大寺で盛んに行われた。その行法は六時(日中・日没・初夜・半夜・後夜・晨朝)をもって悔過(けか)作法がなされ、東大寺二月堂でも旧暦2月1日より二七日(14日)間行われていたが、現在は3月1日より15日まで行われる。」と解説されています。

日本には伝統的に、こういう懺悔の儀式が行われてきているのであります。

懺悔といっても浄土門の善導大師は、三つの懺悔を説かれています。

上品の懺悔は、毛穴から血が流れ、眼から血が出るほどに深く懺悔するのです。

中品の懺悔は、全身の毛穴から熱い汗が流れだし、眼から血が流れるのだそうです。

そして下品の懺悔は、全身が熱くなり、眼から涙が出るというのです。

夏の懺悔礼拝はずいぶんと汗をかくのですが、汗を流すくらいの懺悔ではまだまだ足りないのであります。

 
横田南嶺

まだまだ足りない懺悔

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