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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.07.05
今日の言葉

明るい未来を

先日は、ホトカミの吉田亮さんにお越しいただいて、講演をしてもらいました。

吉田さんの講演は、昨年の三月に続いて二回目であります。

二回目ながら、修行道場の修行僧はうつりかわるので、三分の二は今回初めて聞く方なのであります。

ホトカミというのは、2017年4月に公開された神社お寺の投稿サイトであります。

吉田さんは、いつもの「食べログ」の神社お寺版だと解説してくださっています。

そう言われると多くの人がどんなものか伝わりやすいのだと思います。

しかしながら「食べログ」を知らない私には、そう言われてもピンとこないのでありました。

最近は、ホトカミさんのことも少し詳しくなっています。

神社、お寺という日本の素晴らしい伝統文化を次世代に残してゆきたいというお気持ちがよく分かります。

そうして今や「ホトカミ」は、毎月100万人以上の神社寺院・御朱印ファンが集うサイトになっています。

公式アカウントを活用している寺社も一六〇〇件ほどになっています。

円覚寺も入っています。

京都の石清水八幡宮や、比叡山延暦寺も入っているのです。

その「ホトカミ」を立ち上げたのが吉田亮さんです。

昨年も「100年後にお寺を残していくために」という題で、二時間講演してもらったのでした。

昨年同様に、今年も吉田さんは和服姿でお見えくださいました。

その日はとても暑い日で、和装ではたいへんだろうと思いましたが、今回も講演に臨む意気込みが伝わります。

控え室で少し涼んでいただいて、打ち合わせをさせてもらいました。

今回は、全体が三部構成で、三時間の講座となりました。

第一部は、昨年と同様に、初めて聞く人のために、「100年後にお寺を残していくために」という講演です。

第二部は、私がお願いしたものです。

それは一般論ではなく、具体的に今円覚寺に修行に来ている修行僧のお寺が、これからどのようにしてゆけば、今後も安泰になるのか、具体例を示してほしいと頼んだのでした。

それで、そのお寺の「明るい未来」をお話してもらいました。

第三部は、みんなで実際に御朱印デザインを描いてみるというものであります。

三時間というと長いのですが、これもまたアッという間でありました。

まずホトカミを通じて参拝者が増えた事例として茨城県のとある神社が紹介されました。

年間に二十名ほどのお参りだったのが、今や毎月一五〇〇組の参拝者が見えるようになったというのです、

まずはその神社のことを多くの方に知ってもらうことが大事です。

情報発信です。

SNSなどご自分でやっていればいいのですが、それも苦手な方が多いのが、神社やお寺であります。

そんな方には、ホトカミを活用して情報を発信できるのです。

情報発信といっても何を発信していいか分かりません。

その神社さんの例でもはじめは桜が咲きましたでいいのだそうです。

お花や植物、自然のものを紹介するような投稿をすれば間違いないということです。

桜ひとつでも、桜が咲き始めました、桜が満開です、そして桜が散りましたと少なくとも三回は投稿できるというのであります。

そうして外からお参りしてくださる方が増えてくると地元の方にも喜ばれるのであります。

茅の輪くぐりの話も印象に残りました。

これは神社で行われているものです。

六月三十日の大祓の折に、各神社では大きな茅の輪が作られています。

それをくぐると、厄をはらえるというのです。

大きな神社ですと、普段から多くの参拝の方がいらっしゃるのでいいのですが、あまり知られていない神社ですとお参りしてもらうようにする工夫がいります。

どうしたらいいのか、修行僧達に吉田さんが聞いて回られていました。

まずはどんな御利益があるのかを情報発信するという答えが多くありました。

私も御利益を知らせることだろうと思っていました。

なかには大祓という期間限定であることを伝えることだというのもありました。

吉田さんが教えてくれたのは、その茅の輪の制作の過程を紹介することだというのです。

茅を刈り取っているところ、それを輪に束ねているところ、そして神社に飾り付けるところなどを写真で伝えるというのです。

これはなるほどなと思いました。

私などでは、その過程はなるだけ見せないようにして結果だけを見てもらうという傾向が強くあります。

こういう考えもあるのだと学びました。

そうしますと、その苦労やその思いも伝わってきて、お参りしてみようという気持ちになるものです。

若い参拝者が増えるお寺の共通点は何かということも聞かれました。

写真映えがするといいとか、御朱印がいいとか、駅が近いとか、情報発信の頻度が高いとか、季節の花がきれいだとか、それから掃除が行き届いているとか、いろんな答えがありました。

その中に、和尚の顔が見えるというのもありました。

吉田さんの答えは、若いお坊さんの顔が見えるというのです。

一般の方には「お坊さんこわい」「神主さんいない」という印象が強いようです。

特に若いお坊さんの顔が見えると若い人がお参りくるようになるというのです。

これもなるほどと思いました。

たしかに私の法話を聞かれる方は、五十代から六十代くらいが多いのです。

そんな話を聞きながら、円覚寺もお若い方に来てもらうには、もっと寺の若い和尚さんに活躍してもらわないといけないと思いました。

そこで吉田さんが言われたのが、年齢を重ねないと駄目なのではなく、若い人には若いなりの価値があるのだということです。

お寺の世界などでは、やはり若い者は遠慮している傾向があります。

もっと若い人に表に出てもらうことが必要だと感じました。

昨年吉田さんの講演を聴いたのがきっかけとなって、五月の連休に私も御朱印を書くようにしました。

今年も書いたのでした。

休憩を挟んで修行僧の寺の明るい未来の話も参考になりました。

和尚さんたちと話をしていると、この頃よく耳にするのが、自分たちの代ではまだどうにかやっていけるけれども次の世代ではもう無理だという声であります。

このようなことを言われるとお若い人にしてみれば気の毒です。

中にはそう言われて、よし見返してやろうと発憤する人もいるでしょうが、やはり「明るい未来」を示してあげることが大事だと思います。

吉田さんは一所懸命になって考えてくださった、そのお寺の明るい未来を語ってくださいました。

そうして最後にはみんなで御朱印のデザインを描いて終わったのでした。

とても楽しく、気持ちが明るくなるご講演でありました。

いつも元気で明るい吉田さんのお人柄のなせる技であります。

これまたありがたいご縁です。

修行僧たちもこれからの暑い季節を、明るい未来を描きながら修行してもらいたいものであります。

 
横田南嶺

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