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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.06.24
今日の言葉

願いを持って生きる

「ねがう」というのは、どういうことでしょうか。

改めて考えてみます。

人は何かを願って生きているように思います。

「ねがう」を『広辞苑』で調べると

まずはじめに「「ね(祈)ぐ」の未然形に接尾辞「ふ」の付いた語」という解説があります。

「ねがう」のもとは「ねぐ」だというのです。

では「ねぐ」というのはどういう意味か調べてみると、

「心に強く願うこと(希望する)」や「神仏などに祈ること(祈願する)」をいいます。

単に「こうしたい」と思うだけでなく、「神や目に見えない力に対して、願いを託す」という宗教的意味合いが含まれているようであります。

そこで『広辞苑』で「ねがう」の意味を調べると、

第一に「実現して欲しいことをかなえてくれるよう、神仏に申し伝える。祈願する。また、こうあってほしいと切に思う。」と解説されています。

そして二番目に「特に、仏に極楽往生を乞い願う。」ことが書かれています。

そして三番目に「乞い求める。乞い願う」ことです。

「寄付を願う」という用例があります。

四番目に「役所などに申請する。請願する」があります。

「認可を願う」という場合です。

それから「(商店などで)品物を客に買ってもらう」ことや、「配慮を求める。よろしく頼む。丁寧に依頼する」という意味があります。

これは普段よく使っている「なにとぞ、よろしくお願い致します」という場合であります。

仏教では願うことを「願」といって特に大事にしています。

岩波書店の『仏教辞典』には

「願」について、まず「求めるもの(目的・目標)を前において(あらかじめ定めて)それを得ようと願い求めること。

<志願><欲願><願求><誓願>などとも訳される。」

と書かれています。

更に「一般に、ねがい、ちかいを意味する。

この<願>を達成するための修行(実行、努力)を<行>といい、合わせて<願行>という。

また往生を願うことを<願生>、願の達成を<願成就>、願の力を<願力>、悟りとか救いを願う心を<願心>などという。」

と解説されています。

更に大乗仏教における「願」について説かれています。

「ところで大乗仏教になると、あらゆる衆生の救済を願って、無上の悟りをめざす菩薩の道が強調されるようになる。」

とまず書かれています。

ここに大事なことが説かれています。

大乗仏教の菩薩というのは、「あらゆる衆生の救済を願って、無上の悟りをめざす道」を歩む者を言います。

そこで『仏教辞典』には、

「たとえば竜樹は大乗仏教の特質として、菩薩の願と行と廻向の三つをあげている。

大乗の菩薩がすべてのものの救済を願うのは、慈悲の心を根本としているからである。

そこでこの願は<悲願>といわれる。

その内容はあらゆる衆生を救済する(仏にならせる)ために仏国土を建設しようとすることが中心となっている。

その理想を示しているのが無量寿経に説かれる法蔵菩薩の浄土建立の願である。」
というのであります。

大乗仏教の特質が、菩薩の願と行と廻向にあるというのは注目すべき教えであります。

廻向というのは「自己の善行の結果である功徳(くどく)を他に廻(めぐ)らし向けるという意味」です。

もともと、「布施の功徳を父母兄弟に廻らし向けるという例」がありました。

「功徳は他に移し替えることができるというインド的な発想」があるのです。

それが「大乗仏教になると、廻向を受ける対象が一切衆生に拡大された」という点が大事であります。

『仏教辞典』には「善行を単に自己の功徳としただけでは真の功徳とはならず、それを他の一切のものに振り向けることによって、完全な功徳になるという大乗仏教の思想がここにある。」と解説されています。

そしてすべての菩薩に共通して説かれるのが四弘誓願であります。

第一に「衆生無辺誓願度」という「数限りぎりない人びと(衆生)を悟りの彼岸に渡そうという誓願」です。

第二に。「煩悩無尽誓願断」で、「尽きることのない煩悩を滅しようという誓願」です。

第三に「法門無量誓願学」で、「量り知ることのできない仏法の深い教えを学びとろうという誓願」です。

第四に「仏道無上誓願成」で、「無上の悟りを成就したいという誓願」です。

『仏教辞典』には「原型は心地観経功徳荘厳品に見られ、定型的なものは智顗(ちぎ)の『摩訶止観』10下に見られる」と説かれています。

四弘誓願は「四諦」がもとになっています。

四諦は
現実の世界は苦であり(苦諦)、
その原因は渇愛などの煩悩であり(集諦)、
これを滅すれば苦も滅する(滅諦)、
そのために八つの正しい道(八正道)を行ぜよ(道諦)

という四つの真理であります。

苦諦という真理を見て、衆生が苦を受けていることを知り、救済を誓うことが「衆生無辺誓願度」という願いになります。

集諦という真理を見て、苦の原因である煩悩を断ち切ることを誓う「煩悩無尽誓願断」という願いになります。

次が道諦という真理を見て、「苦を滅する道(教法)をすべて学ぶことを誓う「法門無量誓願学」になります。

最後に滅諦という真理を見て「苦の終わり(悟り、涅槃)を成し遂げることを誓う「仏道無上誓願成」という願いになるのであります。

願いを持って生きるのが菩薩の道であります。

 
横田南嶺

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