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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.05.05
今日の言葉

みどりの中のイス坐禅

四月二十九日は、円覚寺でイス坐禅の会を行いました。

四月二十九日は、ただいまは、昭和の日となっています。

この日は、昭和天皇の誕生日でした。

そこで、一九四八年から一九八八年までは「天皇誕生日」として祝日でありました。

私なども四月二十九日は天皇誕生日という印象が強いのであります。

一九八九年の一月に、昭和天皇がご崩御遊ばされた後に、この日は「みどりの日」となりました。

植物に造詣の深かった昭和天皇にちなんだものです。

その後更に二〇〇七年から「昭和の日」になっています。

ただいま「みどりの日」は五月四日となっています。

昭和天皇は、昭和五十二年に和歌山県で行われた全国植樹祭に行幸遊ばされています。

私もそのときお出迎えの列に加わってお姿を拝見しました。

昭和天皇というと、実に激動の時代を生き抜かれた方でいらっしゃいます。

どれほどのご苦労をなされたのか、私などには想像もできません。

そんな歴史に名を刻んだお方のお姿を拝見できただけでも有り難いことでありました。

当時陛下は七六歳頃ではなかったかと思います。

かつてみどりの日となっていただけに、四月二十九日は、円覚寺も全山新緑に掩われていました。

そんな日の午前9時からイス坐禅の会を行っていました。

いつもは、敢えて東京の八重洲の会議室を借りて、平日の夕方六時半から開催しています。

会社にお勤めの方が、日常の中でもできるようにとの思いです。

仕事帰りの方もお見受けします。

そんな方に疲れをとってもらい、静かに坐ってもらうのです。

今回は、敢えて円覚寺で行いました。

とはいうものの実際には、会議室の空いている日と私の空いている日とが合わなかっただけのことであります。

それでも新緑の円覚寺で、しかも午前中に開催するのはこれはこれで意義深いことです。

特に午前中というのは、気が澄んでいます。

それに新緑の空気を吸うというのもまた素晴らしいものです。

いつもご参加くださる方も多く、また初めての方もいらっしゃいます。

いろんな話をしながら進めてゆきました。

イス坐禅は今回9時から正午まで三時間あるので、十分ゆとりがあると思っていましたが、実際にはあっという間で、あれもやっておきたかった、これもやっておきたかったと思うことがたくさんありました。

新緑の空気のいいところで行いますので、まず大きく息をしながらノビをしてもらいました。

ノビはいいものです。

ネコはノビをしてからだを調えているように思います。

からだの上下のノビ、そして左右の横方向のノビなどを行ってみました。

今回重点的に行ったのが、手の感覚であります。

手の感覚が変わると体が変わるということを感じてもらいたいと思いました。

爪の先から指、手のひらをじっくりほぐしていって、合掌を行いました。

合掌したまま、独自の方法で手の感覚に集中していくようにします。

両方の手が合わさったところに意識を向けて立つと体が調います。

まっすぐに立てます。

まっすぐに芯が通ると、余計な力が抜けます。

足がしっかり大地を踏んで楽に立つことができるようになります。

そのまま歩いても体が揺れずに静かに歩くことができるようになります。

そのまま胸の前で両手を重ねる叉手も行いました。

そこから法界定印という坐禅の形になることも行ってみました。

手から変わることを重点的に行っていたので、足の方は、いつものようにはできず、テニスボールを踏んでもらうだけにしました。

あと大事にしたのは、頭蓋骨と仙骨のノビであります。

仙骨が下に伸びて、頭蓋骨は頭のてっぺんが上に伸びて、そうして背骨にノビが生じるのです。

緩やかなノビが心地よいのであります。

一時間ほど体操をしていて、そのあとしばらく坐って、そして三十分ほど話をしました。

あらかじめ臨済録の言葉などを印刷して用意していたのですが、あえて使わずに、その内容だけを伝えるようにしました。

せっかく体を調えたあとに、プリントを見ようとするで、それだけで体が崩れてしまうと思ったからであります。

いい状態で坐れているので、そのままの状態で聞いてもらおうと判断をしました。

それでも内容は、用意したプリントの臨済録の大事なところを話をしました。

そして小休憩を挟んで更に坐禅であります。

小休憩のときに、叉手で手の感覚を感じて歩いてもらうようにしました。

そうしますと、坐禅の状態が途切れることなく、次の坐禅に自然とつながってゆきます。

手の感覚に注意してもらったので、おトイレへの出入りも静かになっていると感じました。

私はいつものように皆さんに指導させてもらううちに自分の体も調って心地よくなって、休憩の間もイス坐禅をしていました。

その後二度目のイス坐禅を行いました。

いつものイス坐禅ですと質疑応答の時間が少ないのですが、今回は、四十分ほどかけて行いました。

それでもすべてのご質問にはお答えできませんでした。

答えられなかったものは、次回のイス坐禅の会でお話しようと思っています。

お昼は、最近円覚寺の弁天堂でお店を開いてもらっている航さんのお弁当を用意して皆さんに、新緑の景色を眺めながら召し上がってもらいました。

参加された方の中には和尚様もいらっしゃいました。

ホトカミの吉田亮さんのご紹介でありました。

長年坐禅を熱心になされた方のようであります。

そんな方が私のイス坐禅を体験してもらってどうかなと思って感想をうかがいました。

すると、何日もかけて坐禅してようやく出来た身心の状態に、今日は二時間でなれたと喜んでくださいました。

これはもう長年修行なされているから体感してくれたのだと思います。

手の感覚がよかったというお声もいただています。

昭和天皇ゆかりの日、みどりの中のイス坐禅、みんなで坐れてとてもよかったという思いであります。

 
横田南嶺

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