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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.02.18
今日の言葉

ととのう喜び、坐る楽しさ

二月のイス坐禅の会も無事に終えることができました。

毎月一回、東京の八重洲のビル街にある会議室を借りて行っています。

周りの会場はみなぞれぞれ会議やセミナーなどが行われています。

一見して、坐禅するような環境には思えないのですが、そんなところで敢えて坐禅を行ってみようと思ったのでした。

しかも、イスで。

一昨年に始めた新たな挑戦でした。

はたして人は来てくれるのか、続けることができるのか、とても不安な中を始めたものでした。

それが今や五十名の方が毎回お集まりくださっています。

今回で、もう二十一回です。

気がついてみれば、私自身が、毎月のイス坐禅が楽しみになっているのです。

あまり話をすることが楽しみだと思ったことはないのですが、このイスの坐禅は楽しみです。

それはどう表現したらいいかというと、ととのう喜びが感じられて、坐る楽しさが実感させられることであります。

毎回毎回新たな工夫を取り入れています。

今回ははじめに目のまわりと、顔の緊張をゆるめるようにしてみました。

それには手の平を使います。

人間の手の平には、手あてという言葉があるように、大きな力を持っています。
手を当てるだけで、手をあててさするだけで、体には大きな影響を与えることができます。

せっかくですから、その手の平の感度を高めるように意識してみました。

これは全く自分であれこれ工夫して考え出したものです。

手の平と手の平を合わせます。

合掌です。

両手の平をこすり合わせます。

これはよくやっていることです。

そしてまた手の平を合わせます。

右の手の平で左の手の平をゆっくりと押してゆきます。

左の手の平は押されている圧力を感じながら受けとめています。

すこし手の平の中心が左に寄ってゆきます。

こんどは反対に、左の手の平で右の手の平を押してゆきます。

右の手の平は押されている力を感じながら受けとめます。

手の平の中心が少し右にずれます。

これを二回ほど繰り返します。

そして今度は、息を吸いながら、手の平と手の平の間を数㎜だけ開けるようにします。

そして吐きながら手の平をくっつけます。

これを何度か繰り返します。

手の平と手の平を吸いながらほんの微かに開きます。

一㎜か、0.1㎜くらいのつもりでかすかに息を吸いながら開けて、吐きながら合わせるのです。

そうして手の平に意識を集中してゆくと、手の平の力がたまってくる感じがします。

その手で、頭を両側から包みこみます。

手の平で頭を包み込んで、感謝の気持ちで触れています。

いつもいろいろ考えてくれて有り難う、ご苦労さまという気持ちで手の平で包んであげるのです。

それから両目をその手の平で掩ってあげて、目を休めます。

目のまわりを指で軽く触れながらゆるめてゆきました。

押したりもんだりせずに、ただかすかに触れているだけで、緩んできます。

眉の上、こめかみなどをゆるめてゆきました。

それから肩をほぐすことなどを行いました。

終わったあと、ある方が声をかけてくれて、イス坐禅まではまぶたがピクピクするのが止まらなかったのが、イス坐禅で止まったと感謝してくれました。

おそらくいろんな緊張がたまっていたのではないかと察しました。

こういうのもイス坐禅の功用です。

目や顔というのは、始終緊張しているのです。

ときには休めてあげることです。

今回は、井上欣也さんに教わった平伏を教えてみました。

これは効果抜群であります。

まず簡単に肩や胸の緊張がとれるのです。

イスに坐って平伏してもらうと、上体の力が抜けます。

それで上体だけおこすと、それだけでイス坐禅になります。

今回は、なんと岡山からご参加の方がいらっしゃいました。

都内で所用があって上京したついでかと思ってうかがうと、なんとこのイス坐禅の会のために二日間休みを取って参加したというのですから驚きました。

毎日私のYouTubeラジオ管長日記も聴いてくださっているとのことでした。

三十代の青年です。

とてもうれしくなりました。

ご本人も参加できてよかったですととても明るい表情で喜んでくれていました。

初めて参加された方が口にされる言葉があります。

それは「ようやくチケットがとれました」というのです。

どうもチケットを取るのがたいへんらしいのです。

なにせほとんどが毎回参加される方々です。

京都からお見えになってくださる方もいらっしゃいます。

毎回工夫をしながら坐ってみると、自分自身も体がよく調うことが実感されます。

それからみんなで坐る良さをますます感じます。

以前栗山英樹さんが修行道場で坐禅を体験された時に、全く人の気配を感じなったとおっしゃっていました。

そしてこの空間にずっと坐っていたいと思ったというのです。

イス坐禅でも同じなのです。

会議室に五十名も坐っているのですが、坐禅になると全く人の気配がしなくなります。

なんといも言えない空間になるのです。

それがまるで森林のような感覚なのです。

人のいない静けさの中に自分が溶け込んでゆくのです。

この感覚は一人でやっては味わえないものです。

これだけの方と一緒になって坐るからこそ味わえるのです。

私自身もこれを味わうのが楽しみになっているのだと実感します。

多くの皆さんが繰り返しご参加くださるのもこの感じがいいのだろうと察します。

毎回参加してくださる吉田亮さんは、いつもその日の晩のうちにnoteに投稿してくださっています。

吉田さんはこの頃身近な方にイス坐禅で習ったことを教えてくれているそうなのです。

これは有り難いことです。

私がやっているのは、どれも簡単な体操なので、誰がやってもだいじょうぶです。

「実際、私のつたないレクチャーでも、「身体が軽くなった」「すごい」「毎朝続けてる」などと感激してもらえると、とても嬉しいです。」

と書いてくれています。

教えることで、自分自身また深まってゆくものです。

イス坐禅を体験してくれた方が、いろんなところで、いろんな方に伝えてくだされば有り難いことです。

以前にも書いたことですが、イス坐禅に教科書はありません。

一人一人の体が教科書なのですから、どこでもだれでも自分を調えることはできます。

すこしでも輪が広がると有り難いなと思います。

 
横田南嶺

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