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臨済宗大本山 円覚寺

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2020.08.09
今日の言葉

玄峰老師の「自由」

戦後間もない頃、まだ物資の不自由なころであります。

山本玄峰老師は八十代ながらもお元気そのものでありました。

ある日の事、地元の婦人会の集まりが老師の住されていた龍沢寺で催されて、老師が法話をなされました。

老師は、

「自分は今まで、龍沢寺、土佐の雪蹊寺、原の松蔭寺、犬山の瑞泉寺などいろいろの寺に住職してきたが、いまだかつて雨戸を閉めたこともなければ、戸に鍵をかけたこともない。

人間は心を清浄にしておりと、自然に護法神が守ってくれ、泥棒や悪い人間が寄りつかなくなる。

たとえ泥棒や悪い人間が来ても、自然にまともな人間に成り変わる。

世間では、人を見たら泥棒と思え、火を見たら火事と思えというけれども、人ほど尊いものはない。

自分の心を清浄にしておれば泥棒も火事もなくなり、雨戸や鍵の心配もいらなくなる」

と長時間お話になったそうです。

法話を終えて、元気にお部屋に戻ってみると、なんとタンスの引き出しまですべて全開になっており、着物も下着もすっかり盗まれてしまっていたそうです。

肌着なども容易に手に入りない頃で、はじめは随分不自由されたそうですが、それからというもの、老師は、法話のたび毎に、

「私も近頃は泥棒に入られるような物持ちになり、先日は泥棒が来て肌着まですっかり持って行きました」

と宣伝されたので、忽ちの間に、盗られた以上の品物が集まってきて、たいへんだったという話であります。

玄峰老師の追憶集を調べていて、こんな話を見つけて思わず微笑んでしまいます。

どんなことが起こっても、とらわれずに自由に応対して、なんのこだわりもない老師のご心境がうかがわれます。

禍も自由に転じてゆかれる、そんなお力にあやかりたいものであります。
 

横田南嶺

玄峰老師の「自由」

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