今日の言葉
満天の星
臘八の大摂心では、午前二時から禅堂内で坐禅が始まります。
いつもその時間に禅堂に入るようにしています。
すると、禅堂に行くまでわずかな間ですが、夜空を仰ぐことができます。
午前二時に、満天の星を仰ぐことができます。
臘八の大摂心の最中ですし、身も心も澄み渡って、仰ぐ星空は格別なものです。
坂村真民先生の詩の一節、
二度とない人生だから
のぼる日 しずむ日
まるい月 かけてゆく月
四季それぞれの
星々の光にふれて
わがこころを
あらいきよめてゆこう
を口ずさんだりします。
また同じく真民先生の詩の一節、
守られて眠っていることを
知ってください
こんなにも美しく
星が光り輝き
こんなにも優しく
虫たちが鴫いているのです
を思い起こしたりしています。
余計なことを何も考えずに、
「ああ、いいな、きれいだな、すばらしいな」と惚れ惚れと星空を仰いでいると、
人間と天地大自然はもとから一体だったのだと実感されます。
臘八の摂心中、午前二時の坐禅に臨んでいて、いつも有り難い思いに満たされるのです。
横田南嶺