「生きる燃料」 一日一語137
<富士山方面>
円覚寺に隣接する六国見山(りっこくけんざん)山頂からの眺めです。
昔は、六つの国が見渡すことが出来たことからこの山の名前があります。
<逗子市内方面>
<横浜方面>
展望台
横田南嶺老師が、先日行われたゲーム制作会社の坐禅会で質問に答えられたことを
まとめてみました。
会社員: 慈悲の心が大切なのはわかりますが、それだけでは、この競争社会を
生きていくことはできません。競争心をどのように考えますか?
老師: トリカブトというものがある。これは、一見、毒であると思われて
いますが、程よく量を調整をして使えば、薬として体を活性化することができる。
大切なことは、競争心や怒り、性欲もそうであるが、自分で程よく調合できるように
することだ。自分でよく自分の状況をよく観察して、「これは、活性化した方が良い」
か「これは、鎮めた方が良いのか」を自分でよく見極めることだ。
競争心も怒りも性欲も程よく量を調整して使えば、生きる燃料となる。
昔の禅僧で、自分の仕える殿様に侮辱をされたのが因縁で、それを見返して
やるために坊さんになった人がいた。それが、仏道修行をしているうちに
復讐心はなくなっていき、立派なお坊さんになられた。
もし、その禅僧が、お坊さんにならずに、怒りのエネルギーを殿様を
暗殺するための忍者になるために使っていたら、ただの害でしかない。
たとえば、タンカーが動くには、燃料がいる。競争心も怒りも性欲も
程よく量を調整して使えば、燃料となる。大切なのは、その方向を
間違えなことだ。冷静にどの方向に進んでいるのか観察している自分が
いなければならない。程よい量を調整できるのは、自分しかできない。
よく自分の心を観察して、うまく調整できれば、薬にもなり、
それを誤れば、毒にもなるということだ。