仏性
6月4日(火)
管長様が企業坐禅会で提唱されたことをまとめてみました。
「もとよりもほとけとおなじわれながら
なにとてかくはまよいぬるらむ」
私達は本来、諸仏菩薩に少しも異なることの無い智慧の大光明を持ち、
仏心・仏性の真っただ中におります。
しかしながら、水の中で泳いでいる魚が水というものを知らないように、
仏心の中にいて仏心に気づかないのが私達凡夫です。
それゆえ迷いが生じ、悩み苦しみに苛まれています。
「ふかくおもひたけくうたがふこころあらば
ほとけの性はめのまへに見む」
眼前の対象を見ている者は誰なのか。
今聞いている者は誰なのか。
またこのように疑う自分とはいったい何者なのか。
目前の事柄だけにとらわれず、その根本をたどり、
迷いの本体、すなわち自己を深く掘り下げていけば、
必ず私達の眼前にみほとけの世界が満ち満ちてくる。
私達は普段生活してますと、どうしても目先の利益にとらわれ、
心が曇ってしまいます。
坐禅は、心のゴミをこまめに取り除いてゆき、
本来の清浄なる仏性に目覚めていく修行なのです。