延命十句観音和讃
3月13日(水)
管長様が、延命十句観音経の意訳を使って和讃を作ってくださいました。
和讃(わさん)というのは、仏・菩薩、祖師・先人の徳、経典・教義などに対して和語を
用いてほめたたえる讃歌で、七五調の形式の句を連ねて作られています。
われわれ臨済宗では、「白隠禅師坐禅和讃」をよくお唱えしますが、これで
「延命十句観音和讃」も木魚のリズムの中で、皆さんといっしょにお唱えできる
ようになります。
{延命十句観音経} (3月15日 4訂版)
大慈大悲の 観世音
生きとし生ける ものみなの
苦しみ悩み ことごとく
すくいたまえと いのるなり
苦しみのぞき もろともに
しあわせ祈る こころこそ
われらまことの こころにて
いのちあるもの みなすべて
うまれながらに そなえたり
ほとけの慈悲の 中にいて
むさぼりいかり おろかにも
このこころをば 見失い
さまようことぞ おろかなる
われら今ここ みほとけの
みおしえにあう さいわいぞ
おしえを学ぶ 仲間こそ
この世を生きる たからなり
われを忘れて ひとのため
まごころこめて つくすこそ
つねに変わらぬ たのしみぞ
まことのおのれに 目覚めては
清きいのちを 生きるなり
朝に夕べに 観音の
みこころいつも 念ずなり
一念一念 なにしても
まごころよりは おこすなり
一念一念 観音の
慈悲のこころを 離れざり
(後記)
仏教の真髄、禅の端的を現代を生きる私たち、誰にでも分かりやすく
表現された和讃です。繰り返し繰り返しお唱えすることで、
自然と私たちにこの教えが身についてきて、より善く生きる指針に
なるのではないかと思います。
猩々袴(しょうじょうばかま) <黄梅院>