「忍」の一字
1月5日(土)
明日の晩、僧堂(専門修行道場)では、鏡開きとなります。
お供えした鏡餅を割って、お汁粉を作って雲水さん達が食べます。
(円覚僧堂だけの習慣かもしれませんが)この時にあみだくじを
作ってそれを引いていき、1等から最下位までの順位を決めて
管長様に書いていただいた色紙など景品(もちろん1等が一番豪華!)
をもらっていきます。そして、最下位のくじをひいてしまった人が
お汁粉を作ってみんなに振る舞います。
これが、今年、管長様が鏡開きの為に揮毫された色紙の
何枚かです。
「忍を懐きて慈を行ぜば、世世怨みなし。
中心は恬然(てんぜん)なり、終に害毒なし。」
{しのぶ心を持っていくつしみの行いをすれば、ずっと
怨まれることはない。心はやすらかで、けっして悪影響を
与えることはない。}
「忍の徳たるや、持戒苦行も及ぶこと能わざる所なり。」
{戒律をかたく守ることや体を痛めて苦行をすることばかり
が修行なのではない、本当の修行は、理不尽なことがあろうが
何があろうが耐え忍ぶということだ。}
「世は恃(たの)む所無し、唯だ忍のみ恃むべし」
{人生、にっちもさっちもいかなくなって、
何をしようとしても出口が見つからず行き詰まって
しまうこともあろう。その時は、ただ、じっと耐え忍ぶことだ。
そうすれば、きっと状況は、変わって来るものだ。}
「忍は大舟たり、もって難きを渡るべし。」
{耐え忍ぶことは、タンカーのような大きな船のようなもの。
どんな荒れた大海原も渡っていくことができる。}
(後記)
管長様の雲水さんへの思いの込められた言葉の数々ですね。