いのちの尊さと母の思い
7月24日(火)
管長様が先日の夏期講座で提唱されたことをまとめてみました。
よく自殺の問題があると「いのちの尊さ」「いのちの大切さ」
が声高に叫ばれます。けれども、ああいう言葉は、残念ながら
叫べば叫ぶほど無力に思われるのです。
お寺をお預かりしていると自分の子供さんを亡くした
親の悲しみに接することがあります。特に自分の子供を
自殺で亡くした母親の悲しみは、これは、言葉では表現
できないものです。
そのお宅にお参りすると27回忌を過ぎても、初盆と同じような
お飾りです。27年が経過しようとも、遺影は子供のままであります。
そのお母さんの悲しみなんてのは決して消えるものでは
ありません。流した涙の量ははどのくらいでしょうか?
昔の人は海の量に匹敵すると言いました。まさしくそうだろうと
実感されるのであります。
そんなお母さんの悲しみを思うと、その悲しみの深さが
また、その涙の量がいのちの重みであると思われるのです。
だから、親のことを思うと生きて欲しいのです。