人の命の長さ
3月3日(土)学生大攝心中日
管長様が学生大攝心で提唱されたことをまとめてみました。
延命十句観音経というお経があります。「延命」とはなんでしょうか?
お釈迦様がある時に人の命の長さはどのくらいか?とお弟子さん達に
尋ねられました。ある弟子は「数日の間です。」と答えました。あと数日で
命が終わるかもしれないという心構えで修行をしますということであります。
それに対してお釈迦様は「それでは仏道の教えがわかっていない。」と
言われました。
また別の弟子が「それは食事の間です。」と答えました。今日この食事を
食べ終わったら死んでしまうかもしれない。そう思ったらどういう気持ちで
その食事を食べるだろうか。それに対しもお釈迦様はわかっていないと
うけがいませんでした。
最後にある弟子が「人の命はこの一呼吸にあります。」といました。
息を吸って吐く、その一呼吸が命ですと。それにはお釈迦様も
「そういう気持ちでやっておれば仏道は間違いない。」と大いに
うけがわれました。
この一呼吸に全力を傾けて坐ることが肝心であります。
「この自分の一呼吸が終わったときに後ろから刀で首を
はねられても後悔しない!」そんな気持ちで坐った一呼吸
が今まで何回あるか?
ぼやっとしていたのでは、いくら長い時間坐っても埒が
あきません。どれだけ充実した一呼吸があるかであります。
そうであるかは、他人ではわからない。只、自ら自分で知る
だけのことであります。
「延命」というのは漠然と寿命を延ばすということではありません。
「人の命はこの一呼吸にあり」とこの一呼吸に自分の心をこめて
取り組むことであります。この一呼吸の間、余計な雑念・妄想を
断って、この呼吸を数えることに集中する。
それが気がつくと一日が過ぎ、一年、十年と経ってその結果、
健康で長い何十年という命を全うする生涯につながっていくの
であります。
「延命」を漠然とみるのではなく、この一呼吸であるとそこに
目をつけていただきたいであります。
(後記)
昨日の午後5時より春季学生大攝心がはじまりました。
男性22名、女性13名の方が参加されています。