管長様 台風被害について
9月6日(火)その2
管長様のご出身地の和歌山県新宮市近辺が台風により、大きな
被害を受けているとの報道を受けて、多くの方々からメールやコメントを
いただきました。それに対して、管長様からお言葉をいただきました。
以下が全文です。
「このところ
私の生まれ育った紀州和歌山の様子が
連日新聞テレビで報道され、多くの方から
ご心配をいただいて恐縮しています。
お心遣い有り難うございます。
私の実家は新宮市で熊野川のほとりですが、治水に優れ
長年大きな台風が来てもまず浸水しないのです。
三日の土曜日も生家に一応電話しましたところ、
雨はひどいけれども
家は大丈夫とのことで安心していました。
ところが
四日日曜日の朝刊で熊野川氾濫の見出しが目に入りました。
よもやと思っていると、弟から連絡があり
夜中に川の水があふれ、とうとう町も浸水。
幸い両親は、弟の家に夜中に避難したようです。
両親も、これだけの雨は初めてとのことです。
浸水はしないと誇っていた我が生家の辺りが浸水したとなると
町のほとんどは水没状態だとのことです。
幸いにも生家は、床上浸水に至らなかったのでなによりです。
両親と家が無事なだけ有り難いと思っています。
その後連絡したところ
四日の午後から突然断水だそうで
水浸しの中で、水道が出ないのです。
まさに坐禅和讃ではありませんが
「水の中にいて渇を叫ぶがごとくなり」です。
しかも突然の断水だそうで、あらかじめならば蓄えも出来ますが、
水も流せず、風呂も入れず…
しかも道路は、土砂崩れで寸断、物資も届かず
孤立状態…
生家では、テレビの映像で見ていたあの津波の「現場」が
目の前に現れたと語っていました。
誠に気の毒だけれども、何も送ることも出来ません。
鉄道も鉄橋が流されて当分行くことも出来ません。
無事でいればよしとだけ思っています。
私の身内は無事なものの、生家の知人では亡くなった方
まだ行方不明な方、土砂に埋まったままの方がいらっしゃるようです。
遠くでいながら、一日も早く救出されることを祈ります。
亡くなった方のご冥福も祈るばかりです。
ご心配いただいて誠に有り難うございます。
南嶺 合掌」