この一念
8月21日(日)
管長様が土日坐禅会で提唱されたことをまとめてみました。
我々は一念を起こすから、我と他人、自分のものと他人のもの
男と女、是と非などが出てくるのであります。自分が一念を起こすから
万般のものがあらわれてきます。
我々は世界があってその中に自分があると思いがちですが
禪的な立場で言えば、我々のこの一念が起こったから、世界が
あるのであります。ですから、この一念を断ち切れば世界は
ないのであります。 世界があるのもないのも自分次第なのであります。
人間みんな同じ世界に暮らしているように思いますが、見ている世界は
めいめい別物であります。だいたい人は自分の関心のあるもの、
欲望の対象となるもの、そういうものしか見えていないのであります。
関心のないものは、そこにどんなきれいな花が咲いていようが見えない
のであります。花の好きな人はここにあそこにと花が見えます。また、
泥棒は人がお金を持っていそうか、そうでないかを見ています。
花の好きな人には花好きの世界、泥棒には泥棒の世界であります。
要するに、自分の一念がこの世界を作っている!のであります。
大切なことは、一念も起こらない無の世界にふれて
かといってそこにとどまらずに再び、有の世界・現実の世界に
戻ってきて、どうすればみんなが幸せで安らかになるか
願いを打ち立てていくことであります。