仏心の中で
7月21日(木)
管長様が夏期講座で提唱されたことをまとめてみました。
にっちもさっちもいかない、どうしようもない状況であっても、
その姿がそのまま仏心の姿であります。生老病死、思うに
任せないことも多々ございます。いくら、博覧強記の人でも
年をとり、病気をしたりてものおぼえが悪くなってしまうことがあります。
また、弁舌さわやかなであっても、何かのことでものを言えなく
なってしまうこともあると思います。たとえ、そうなってしまっても、
その人に何の値打ちもないわけでは決してありません。その人が
そこに生きている限りそれは仏心の姿であります。
先日、南相馬市の93歳のおばあさんがお墓に避難しますと
自らの命を絶たれたという記事が出ていました。
足手まといになると言い残してだそうです。こんな悲しいことは
ありません。決して足手まといなんかではないんです。
そこに生きてくださっている、生きていること自体が仏様の
はたらきであって、仏様そのものであります。どうか仏様の命を
最期まで全うすることのできる世の中でなくてはならないと
痛切に思いをしたことであります。
我々苦しいこと、思うようにならないこと多々ありましょう。
けれど、それはことごとくみんな仏心の中のことであり、仏心の中で
仏様の命をいただいて今息をしている。このこと自体それは
これ以上尊いことはないのであります。
そして最期は仏心の中で息をひきとり、仏心の流れの中で
一つに帰って行くのであります。
(後記)
本日は、台風の中ににもかかわらず、大勢の方が拝聴されました。
誠に有り難うございました。