円覚寺・華厳世界の具現化を願う寺①
横田南嶺管長が昨日の報恩大攝心で提唱されたことをまとめてみました。
臨済宗の禅というのは、中国においては、華厳経が非常に多くの影響を与えている。
要するに一つに教えを統一することなく、それぞれがそれぞれ教えを説きながら、
それでいてきちっと横のつながりもあって、全体につながり合いながら、その全体を
臨済宗という。
これが華厳の世界観で、それぞれ独自の光り輝きを放ちながら、それぞれの光が
それぞれの光を放ちつつ全体がつながって精妙に全体が一つのものとなって、
その全体を統一体しているものを華厳においては、盧舎那仏という。
これは、宇宙を丸ごと包括していて、もっと言えば、華厳の教えにおいては、
この大世界が毘盧遮那仏の現れた姿であるという。
そこで、円覚寺開山である無学祖元禅師は、この華厳の教えを
この寺に具現化したいという思いが強かった察するのであります。
円覚寺の本尊は、毘盧遮那仏であります。また、普通、お釈迦様を
おまつりする仏殿であるならば、大雄宝殿という場合が多いのですが、
円覚寺の仏殿は、大光明宝殿といいます。
大光明というのが華厳の世界観です。それぞれの存在がそれぞれの光を
放ちながら、その光が一つに溶け合って全体一つの大光明の中にある。
この世界すべてが毘盧遮那仏の現れであり、この世界は、毘盧遮那仏の
光明輝きの中にそれぞれ一人一人、一つ一つが光っている。
こういう世界が華厳の教えです。そういうものを円覚寺開山・無学祖元禅師は、
日本において、特に強調して教えられました。
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