花園大学入学式の言葉
本日は皆さんご入学おめでとうございます。それぞれ緊張に包まれながらも、
これから始まる学生生活に期待を抱いて此の場に臨んでおられることと思います。
この大学はもともとは臨済宗大学といって、仏教の中でも禅を建学の精神としています。
禅は、黙って坐ることを大事にしています沈黙の宗教といってもいいかもしれません。
しかし決して沈黙にとどまるのではなく、沈黙から湧いて出て来る言葉を大切にしています。
そんな禅の言葉を禅語と申します。
本日ご入学の皆さまにひとつの禅語をさし上げたいと思います。
それは「華開いて世界起こる」という禅語です。
「華開いて世界起こる」普通私たちは、この世界の片隅に華が開くと考えます。
しかしこの言葉は、華が開くことによって、華開く世界が起こる、現れるのであります。
今まで華の咲いていない世界から、今華が開いたことで、華の咲いた世界が新たに現れたというのであります。
私たちもこの広い世界の中の京都中の花園大学の教室の片隅で学ぶというのではなく、
私が今学ぶことによって、新しい世界が開かれるのであります。
新しい元号になって新しい時代になるのでしょうが、お互いのよし学ぼうという思いによってこそ、
今までにない新しい世界が開かれるのであります。華開いて世界起こるのです。
こんな禅語をお贈り申しあげ、お祝いの言葉とさせていただきます。