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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.09.26
今日の言葉

求道の人、堀澤祖門師

大津市坂本の泰門庵にお住まいの堀澤祖門様を訪ねてきました。

八月に比叡山でお目にかかり、隣席で歓談しているうちに意気投合して、また是非とも会おうという話になったのでした。

先日京都の花園大学、禅文化研究所に行くのに、日程を調整してお目にかかりました。

大津市坂本は、比叡山延暦寺の麓にあります。

天台宗の宗務庁もあり、天台宗の多くの寺院が集まるところであります。

仏教の里だという感じがします。

泰門庵は、西教寺のすぐ近くにありました。

時間があったので、西教寺様にもお参りしました。

西教寺は、天台真盛宗の本山です。

天台真盛宗は、真盛上人を宗祖とする天台宗の一派です。

真盛上人というのは、「嘉吉三年(一四四三)伊勢の国一志の郡小倭大仰(こおりおやまとおおのき)の里に出生し、(現在の三重県一志郡一志町大字大仰)十四才で出家、文明十八年(一四八六)西教寺へ入寺され、堂塔と教法を再興、十九才から二十年間比叡山中に籠り日課六万辺の称名念仏を修め朝廷、公家、武士、庶民ヘ持戒と念仏の布教を行い戒称二門不断念仏の根本道場とした。」

と掲示板に解説されていました。

また別の掲示板には、

「江戸初期に西教寺を訪れた沢庵禅師は、「不断称名日夜閑 水鳥樹林皆念仏」と比叡山中よりわき出た水が境内を流れるせせらぎの音さえも念仏に聞こえるほど幽玄静寂な場所(極楽浄土)であると、不断念仏の道場である西教寺から受けた心情を詠まれた。

現在も真盛上人の戒律厳守と称名念仏の励行(戒称二門)の教えをまもり、500年以上、絶えることなく念仏を行っている不断念仏の道場として信仰をあつめている。」

とも書かれています。

たくさんの堂塔伽藍が並んでいる立派な大本山でありました。

本堂の阿弥陀如来は素晴らしい仏像でありました。

平安時代のものだそうです。

とても大きく、慈悲の光に包まれることを感じられます。

また本堂ではお坊さんが一人鉦を打ちながらお念仏を唱えていました。

不断念仏の道場であることを感じいりました。

そんな西教寺のすぐ隣が堀澤様がお住まいの泰門庵であります。

その日は、私が尊敬申し上げている八幡市円福寺の政道徳門老師もお誘いしてお目にかかりました。

堀澤様は、昭和四年生まれの九十六歳でいらっしゃいます。

お目にかかってゆっくりお話を拝聴するのは久しぶりであります。

大津市内の場所を借りて懇談させてもらったのでした。

堀澤様は、最近日蓮宗の尼僧である草野妙敬尼に会われていて、その話から始まりました。

この頃「非二元」と言われる悟りの世界から話が始まりました。

草野師の本は比叡山でお目にかかる前に堀澤様からお送りいただいて拝読していたのでした。

そんな話から始まって、堀澤様の修行時代のお話を拝聴しました。

比叡山で十二年籠山行を満行されているのです。

籠山行は比叡山では回峰行と並ぶ行であります。

籠山行に入るには、好相行が課せられています。

『仏名経』に説かれた三千もの仏の名前を一仏一仏唱えながら五体投地の礼拝をします。

これを毎日続けて、仏様のお姿をありありと感得するまで続けるのです。

堀澤様は、この籠山行を成し遂げ、更にインドに渡って修行をされています。

インドでは一週間の断食断水で修行もなされています。

臨済宗の大徳寺の禅堂でも参禅修行をなされています。

佐保田鶴治先生にヨーガも習っておられます。

お話を拝聴していると、まさに求道ひとすじの方だと感服します。

政道老師は、天台の止観の行について質問をなされていました。

私も禅の修行には、『天台小止観』に書かれている止観の修行が前提となると思っています。

堀澤様は光があるところに人は集まるが、暗いところには集まらないと仰せになって、今の仏教には魅力がなくなっていることを憂いておられました。

人が集まらない現状を憂慮されています。

これは天台宗に限らず仏教界全体の問題だとも仰せになっていました。

いかに宗門を維持するかにばかりとらわれているのではないかとも仰せになっていました。

厳しいご意見であります。

終わりには、堀澤様が毎日行っている仙骨運動や筋力体操を教わりました。

尾骨の上部の逆三角形になっている部分を仙骨といいます。

その上部に「仙骨点」という場所を設定します。

これは親指と人差し指を自然に開いた間隔です。

人差し指の先端を尾骨に当て、上にした親指が当たる処が堀澤様のおっしゃる仙骨点です。

その仙骨点に両親指を当てて自然に前の方へ押し出します。

そうすると、ぐっと腰が入った状態となります。

それを柔らかく元に戻してからまた押し出すのです。

この仙骨点を前後に動かすことを仙骨の前後運動と言われています。

仙骨点のちょうど前方の下腹の部分に丹田と言われる場所があります。

仙骨点を前方に押し出したとき下腹に自然に力が入り、その場所が丹田なのです。

仙骨点の前後運動は結果として丹田を強化することにもなります。

この運動を繰り返すことにより背骨が真っ直ぐになり、重心が低くなってきます。

脊髄神経や脳神経にもその波及効果が働き、これら全体を活性化することにもなるのです。

簡単な運動ですがとても効果があります。

堀澤様は毎朝百回行っているのです。

そのほか筋力体操も教わりました。

九十六歳の今もこうして毎朝鍛錬なされているのです。

求道ひとすじのお方に接して、とても及ぶものではありませんが、一歩でも半歩でも近づこうと思ったのでした。

 
横田南嶺

求道の人、堀澤祖門師

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