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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.06.28
今日の言葉

匙は味を知らない

先日はまだ六月ですが、真夏のような日差しの日に、西園美彌先生にお越しいただいて、魔女トレの講座を行っていただきました。

駅までお迎えに参りましたが、折からあじさいの季節で実に大勢の方々で賑わっていました。

駅から出て見えた西園先生は、いつものように爽やかでいらっしゃいます。

控え室でいろいろとお話をさせてもらうのも楽しみであります。

最近もある方から手紙をいただいて、私のYouTubeラジオ管長日記を聴いて是非とも一度西園先生に教わってみたいと思われた方が、ようやく念願の魔女トレの実習を受けたと書かれていました。

そんな話を申し上げたところ、西園先生もその方のことはご存じでありました。

私の毎日の管長日記がご縁になって習われる方もこの頃はいらっしゃるとのことであります。

円覚寺に西園先生にお越しいただくようになってもう四年目になります。

西園先生は、2021年の十二月に『魔女トレ』という本を出版されました。

その頃にご縁ができて、翌年2022年の一月に初めて円覚寺で講座を行っていただきました。

西園先生には毎月のようにお世話になっています。

西園先生からは、これだけの頻度で毎回受講しているのは私くらいだと言われました。

なんと、我が国で西園先生の魔女トレを最も多く受けているのは、この私だというのであります。

実に恐れ多いやら、恥ずかしいやらであります。

それだけたくさんお世話になりながら、実に進歩向上が見られないのであります。

お釈迦様が「愚かな者は生涯賢者に仕えても、真理を知ることが無い。匙が汁の味を知ることができないように。」と仰せになっています。

たしかにスプーンというのはいつもおいしいご馳走に触れているはずなのですが、そのあじわいを知ることがありません。

すぐれた人に接しながらも、なんの進歩もないのは、スプーンのようなものだと痛感しました。

それでも遅々としてではありますものの、多少の変化のあったこの頃であります。

二〇二二年の一月十一日の管長日記に、はじめて魔女トレを受けたときのことを次のように書いています。

「先日西園先生に円覚寺にお越しいただいて、修行僧達と共に講習を受けたのでした。

この足の指をしっかり意識することによって、はじめて足の裏、足心がはっきりと意識できるようになったのでした。

西園先生は、拇指球と小指球と踵の三点で立つのだと説明してくれました。

拇指球とは、足の親指の付け根、小指球は小指の付け根であります。

この三点で地面を押すことによって、立つのであります。

そうしますと文字通り足を地に着けて立つという感覚が得られます。

坐禅のときにも足の指先まではっきりと意識できるようになりました。

はっきり意識することによって、そこまで気が通うのであります。

坐禅するときには、「頭のてっぺんから足のつま先まで、気を充たして坐れ」と教わってきたのでした。」

というものであります。

魔女トレの由縁は、まるで魔法のように体に変化が起きることを言っていると思います。

今回も受講のはじめにある修行僧が足の痛みを訴え、立ったり坐ったりという礼拝の動作を行うのにも痛いのですがと相談されました。

しばしその修行僧の体全体をご覧になって西園先生は、ひと言二言質問をされて、そのあと、いくつかの方法を行ってみたのでした。

わずかの間でしたが、その修行僧がスムーズに立ったり坐ったりできるようになったのでした。

足や足の指をよく調えることで体が変わったのでした。

今回は、二人でお互いの足と手を合掌するように合わせるところから始まりました。

私も修行僧の足の裏に自分の手の平を合わせます。

そしてじっと足の裏を感じるのであります。

触れられている方は足で手の平の暖かさを感じるのであります。

かなりの時間をかけてじっくりと感じてゆきます。

触れている方は、足の裏からくるぶし、ふくらはぎ、膝、もも、それから丹田へと伝わっていくように感じ取ります。

ただ触れているだけですが、微細な変化が感じられます。

ただ感じているだけで、足の裏が変わってくるのですから不思議なのです。

お互いに時間をかけて手の平で相手の足の裏を感じるということを行ってから、立ち上がってみると、それだけで体感が変わっているのです。

実に不思議であります。

私も背が伸びたような感じがして、そして更に視界が開けて明るくなったように感じました。

そして更に足の裏が大地にしっかり立っていて、足に根が生えたように感じるのであります。

足の裏の感覚だけで、これだけの変化があります。

それからはいつものように足首まわしや足の指を回したり、伸ばしたりすることを丁寧に行いました。

拇指球、小指球を押さえるのも丁寧に行います。

これをやってまた立ってみると、より一層足がしっかり地面を踏みしめている感じがしているのです。

どんどんとやるたびに体感が変化してゆくので楽しいのです。

楽しむうちに調ってゆくのであります。

今回スーパーボールを使って足の指を一本一本丁寧に伸ばすことを行いました。

これは初めてのことであります。

足の指だけ刺激しているのですが、全身に変化があることが分かります。

足の指から全身がつながっているのです。

さらにテニスボールを使って足をほぐすことを入念に行いました。

私もテニスボールを使ってほぐすことをしますが、西園先生のは丁寧なのです。

いきなり、痛くて気持ちいいところをぐいぐい押すようなことはしません。

まずはテニスボールの刺激を体がしっかり受けとめ、受け入れるのを待つのです。

それから微かな動きでほぐしてゆくのでした。

座骨の周辺を丁寧にほぐし、すねの骨の両側、ふくらはぎなどをほぐしました。

そうして立ち上がると更に一層安定しています。

背骨をテニスボールでほぐすことも行いました

最後にはしばらく皆で坐禅をしました。

これが毎回実にここちよい坐禅になるのです。

また受講してみたいと思うようになるのであります。

毎回教わっても私は匙のようなもので、味を知ることなく終わってしまいます。

それでもまた教わりたいと思うのであります。

教わったことをまたイス坐禅や布薩の会で皆さんにお裾分けさせてもらっているのであります。

今回も西園先生とご縁を作ってくださった藤田一照さんも皆と一緒に参加されました。

有り難いご縁であります。

 
横田南嶺

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