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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.02.25
今日の言葉

苦痛でない坐禅

先日は、この春から修行道場で修行しようという人のための研修会を開いていました。

おもに円覚寺で修行しようという方のための研修です。

私は坐禅のための体操をいつも教えています。

膝を壊さないようにして坐るにはどうしたらいいか、どうしたら苦痛でない坐禅が出来るようになるのかを伝えています。

坐禅にはどうしても守らないといけない型があります。

『坐禅儀』には次のように記されています。

「坐禅をしようとするときは、静かな場所で、厚く坐布団を敷き、着物や帯はゆるくし、姿勢をきちんと整えなさい、そこではじめて結跏趺坐にとりかかるのである。
まず、右の足を左の腿の上におき、左の足を右の腿の上におく。

場合によっては半跏趺坐でもよろしい。

それは、ただ左の足で右の足をおさえるだけである。

次に、右の手を左の足の上におき、左の掌を右の掌の上において、両手の指のあたまを互いにささえるように合せ、ゆっくりと上体をおこして前にのばし、さらに左右にくりかえし振りうごかしてから、はじめて身体をまっすぐにして端坐するのである。」

というものです。

ここに足の組み方、手の組み方が説かれています。

『天台小止観』にはもう少し詳しく書かれています。

「初めて坐るべき場所についたら、その場所にしっかりとおちつくがよい。

つねに安隠にしていられるようであれば、いつまでも妨げはない。

つぎにはまさに脚から姿勢を正しくすべきである。

もし半跏坐といわれる坐り方ならば、左の脚を右の脚の上におき、それを引きつけて身に近づけ、左脚の指と右の髀(ももね)とをそろえ、右脚の指と左の髀とをそろえる。

もし結跏趺坐といわれる坐り方をしようとするなら、さらに下にある右の脚ももち上げ、それを左の脚の上に置く。

つぎに衣帯を解きゆるめる。

しかし周ねく正しくして、坐っているときに脱けて落ちたりすることがないようにする。

つぎに手をおちつける。

左手の掌を右手の上に置き、両手をかさねて相対してこれをおちつけ、ともに左脚の上に置き、宰きつけて身に近づけ、下腹に当てておちつける。

つぎに身を正しくする。

まずその体ならびに手足や肢節をゆり動かすこと、七八反ぐらいするがよい。

自按摩のやりかたのようにして、手足にしこりを残さないようにする、つぎには身を正しくする。

それには全身を端正にし、脊骨をまっすぐにして、曲ることもなくそり返ることもないようにする。

つぎに頭・頸を正しくする。

鼻と臍とが垂直線上にあるようにし、それが偏らず斜めならず、うつ向かずそりかえらないようにし、面を平らかにして正しく住する。

つぎに口を開き、胸中の穢気を吐き去る。

気を吐く方法は、口を開いて気を放ち、思う存分にそれを吐き出す。

そのとき体のなかのぐあいのわるいものをことごとく放ち、それが吐く息にしたがって出てゆくと観想する。

出し尽くしたら口を閉じ、鼻から清気を入れる。

このようにして三度ほど繰り返す。

もし身息が調和しさえすれば、一度だけでもよい。

つぎに口を閉じる。

唇と歯をそっと上下あいささえつけ、舌はもち挙げるようにして上顎に向ける。

つぎに眼を閉じる。わずかに外光を断つ程度でよい。

それがおわったら端身正坐すること、石のごとくであれ。

身や首や手足をこまかく動かすようなことがあってはならない。」

と説かれています。

足の組み方が詳細に説かれています。

結跏趺坐が「右の足を左の腿の上におき、左の足を右の腿の上におく。」と『坐禅儀』には説かれています。

半跏趺坐は「ただ左の足で右の足をおさえるだけである」

というのです。

『天台小止観』では、半跏趺坐が

「左の脚を右の脚の上におき、それを引きつけて身に近づけ、左脚の指と右の髀(ももね)とをそろえ、右脚の指と左の髀とをそろえる。」

となっていて、

「もし結跏趺坐といわれる坐り方をしようとするなら、さらに下にある右の脚ももち上げ、それを左の脚の上に置く。」

となっています。

さてこの足の組み方が難しいと言われることがあります。

私などは、幸いに小学生の頃からこうして坐禅をしようと思ってきましたので、今まで膝を痛めることもなく、坐ってこられました。

今は、大学を出て、修行道場に来るまでずっとイスの生活で、畳の上で坐ったこともないという青年もいるのです。

なかなかこの組み方が難しいというのも道理であります。

無理をして組むと膝を痛めることになりかねません。

とりわけ膝というのはねじってしまうとよくないのです。

膝をねじって、股の上に乗せるやり方はよくありません。

膝を痛めることにつながります。

膝はまっすぐにしか曲がらないのです。

そこで股関節を外に回転させて、膝をまっすぐに曲げて、それで足を股の上に載せるようにします。

そうしますと膝に負担がかからずに坐ることができます。

それにはやはり股関節の可動域を確保しておくことが大事になるのです。

長年坐禅を探求してきましたので、若い修行僧には、そのように足を痛めない組み方を教えるように工夫しています。

股関節があまり開かない人であれば根気よく柔軟にしてゆくように体操の指導をしています。

毎日毎日少しずつやっていくと、どんな人でもある程度可動域が広がるものです。
そうして足を股の上にあげてもだいじょうぶになってから坐るようにするのです。

そうしますと苦痛でない坐禅が出来るようになってきます。

『孝経』に「身体髪膚、これを父母に受く。 敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり。」という言葉があります。

まずは体を痛めないようにするのが親孝行の第一であります。

体を痛めない、苦痛でない坐禅を工夫して指導するようにしているのであります。

伝統の修行をする修行僧は、イス坐禅だけではどうしても不十分なので、昔ながらの坐り方をしてもらうのですが、そのために指導にはいろいろ注意を払っています。

 
横田南嶺

苦痛でない坐禅

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