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臨済宗大本山 円覚寺

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2023.02.01
今日の言葉

冬の安居終わる

本日二月一日であります。

早くも二月となりました。

「安居」という言葉があります。

『広辞苑』にもある言葉です。

『広辞苑』には、

「〔仏〕(梵語ヴァルサ 雨・雨期の意)

僧が一定期間遊行に出ないで、一カ所で修行すること。

普通、陰暦4月16日に始まり7月15日に終わる。

雨安居・夏安居・夏行・夏籠(げごもり)・夏断(げだち)などという。

禅宗では冬にも安居がある。夏。」と解説されています。

そこで「冬安居」という語も載っています。

「〔仏〕陰暦10月16日から翌年の正月15日まで(臨済宗では2月15日まで)行う冬季の安居」

という解説があるのです。

実にこの解説の通りなのでありますが、岩波書店の『仏教辞典』でもう少し詳しく調べてみましょう。

『仏教辞典』には、実に詳しく解説されています。

紹介しますと、まずは、

「仏教教団で、修行者たちが一定期間一カ所に集団生活し、外出を避けて修行に専念すること、またその期間をいう。雨季の定住。<雨安居(うあんご)>ともよばれる。」

という解説があります。

語源については、やはり「サンスクリット語ヴァルサは雨、雨季、歳を意味する言葉で、インドでは春から夏にかけて約3カ月続く雨季の間は、外出が不便であり、またこの期間外出すると草木の若芽を踏んだり、昆虫類を殺傷することが多いので、この制度が始まったとされている。」

と書かれています。

ここにも安居の大きな意味があります。

虫などを踏み殺さないようにという気持ちで、外にでないで一カ所に集まって修行したのでした。

草木の若芽を踏んだりしないようにということもあるのであります。

この安居の修行も、その根柢には、生き物を憐れみ、傷つけたり、殺めたりしないようにという慈悲の心があるのです。

インドでは、このように春から夏にかけて三ヶ月続く雨季に外出が困難で、虫などを殺さないようにと始まったのですが、中国や日本では雨季がありません。

しかし、『仏教辞典』によると、

「雨季という明確な季節のない中国や日本でも、陰暦4月16日(または5月16日)から3カ月間、安居が行われ、<夏安居(げあんご)><夏行(げぎょう)><夏(げ)籠り><夏(げ)勤め><坐夏(ざげ)><坐臘(ざろう)>、あるいは単に<夏(げ)>とよばれた。」

と解説されているように、インドで行われていた習慣が中国や日本においても行われるようになったのでした。

更に
「安居に入ることを<結夏(けつげ)・(けちげ)><結制(けっせい)>とよび、また安居中に経を唱えたり、写経を行うことを<夏経(げきょう)>とよんだ。

僧侶の法臘(ほうろう)、すなわち僧侶になってからの年数は、夏安居の回数によって数えられた。」

と書かれています。

今でも修行道場では、この夏の数を数えて、どこそこで何夏修行したかということを話題にしたりしています。

そうして日本での安居について、『仏教辞典』には、

「わが国で宮中で最初に安居が行われたのは683年(天武12)で、日本書紀に記録がみえる。」

と書かれていて、これには驚きました。

日本に仏教が伝来してはじめの頃から行われていたのです。

しかも宮中で行われていたのでした。

我が国と仏教との深い関わりを思います。

そして「平安時代以後、安居は一般寺院でも盛んに行われ、中世には特に禅宗寺院で厳格に実行され、<江湖会(ごうこえ)>と称された。

禅宗では冬季にも安居があり、<冬安居(とうあんご)><雪安居(せつあんご)>とよばれる。」

と書かれています。

もともとインドで雨季の外出を避ける為に行われた安居は、中国や日本にも行われるようになって、更に禅宗では、冬にも行われるようになったということが分かります。

その通りで、今も我々の修行道場では、夏と冬との安居が行われているのです。

安居の期間は修行道場によって様々です。

円覚寺では、夏の安居、雨安居は、四月二十日から七月三十一日まで、雪安居は十月二十日から一月三十一日までとなっています。

そこで冬の二月一日は、雪安居の解制になるのであります。

安居があける日なのであります。

新しい修行僧が入門するのは、主に、三月末から四月のはじめで、そして雨安居に臨みますが、秋に入門することもあります。

この秋にも一人の修行僧が入ってくれました。

おかげさまで皆無事に安居を終えることができたのであります。

安居の期間中は、毎月摂心という一週間坐禅に集中する期間があります。

その間には、毎日提唱といって語録の講義をしています。

一月の摂心は、二十日から二十六日まで、二十六日に雪安居の講了を行いました。

コロナ禍の前までは、講了の時には円覚寺山内の和尚様方もご案内していたのですが、このところは修行僧のみで行っています。

いつもながら無事に講了をすますとホッとするものです。

この雪安居では、東嶺和尚の書かれた『入道要訣』を丹念に読み込んでいました。

臘八の摂心の間のみは『佛光録』を読んでいました。

ちょうど『入道要訣』一巻を読み終えて講了となりました。

この他にも一夏を振り返ると、いろいろと修行僧たちと共に学んできました。

『ダライ・ラマの仏教入門』は皆で輪読をし終えました。

かなり仏教の基礎を学べたと思います。

それから毎月の『致知』の勉強会も続けてきましたし、『修身教授録』の輪読会も行ってきました。

それに各講座も充実していました。

毎月西園美彌先生にお越しいただいて、足指のトレーニングを習いました。

またヨガの先生には、股関節をほぐすトレーニングを行ってもらいました。

椎名由紀先生には、姿勢と呼吸のトレーニングを行ってもらいました。

佐々木奘堂さんには、腰を立てるという一事について、毎回熱もこもった講義を受けてきました。

どれが功を奏したのか分かりませんが、この春入ってきた修行僧たちも皆姿勢がよくなったように思います。

これも先生方のおかげであります。

安居が終わると、次の安居までは、制間と言います。

修行僧は、自分のお寺に帰ることも許される期間です。

修行道場によっては修行僧に長期の休みを与えるところもあるようですが、円覚寺では基本的に二泊三日のお休みに限っています。

それ以外はいつもと同じように修行を続けます。

またこの二月もいろいろ皆で学びを深めたいと願っています。

 
横田南嶺

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