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臨済宗大本山 円覚寺

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2022.08.01
今日の言葉

目からうろこ

本日は8月1日であります。

8月1日を八朔と申します。

『広辞苑』を調べると、「八朔」は、

「旧暦8月朔日ついたちのこと。この日、贈答をして祝う習俗がある」と書かれています。

京都の建仁寺で修行していた頃は、祇園にお寺がありましたので、この日祇園では、芸舞妓さんたちが黒紋付の正装姿で、京舞の家元宅や日頃からお世話になっているお茶屋さんに挨拶に回る習慣があったことを覚えています。

建仁寺においても、山内の和尚様方が、管長さまにご挨拶をなさる日でもありました。

八朔問候と言っていました。

私が修行していた頃は、竹田益州老師が管長であり、湊素堂老師が僧堂の師家でいらっしゃいましたので、益州老師に皆さんが挨拶をされていたことを覚えています。

修行道場では、雨安居が終わって解制の日でもあります。

安居というのは、お釈迦さまの頃からの修行の形態であります。

岩波書店の『仏教辞典』を調べてみると、「安居」とは、

「仏教教団で、修行者たちが一定期間一カ所に集団生活し、外出を避けて修行に専念すること、またその期間をいう。雨季の定住。<雨安居>ともよばれる。」

と書かれています。

「インドでは春から夏にかけて約3カ月続く雨季の間は、外出が不便であり、またこの期間外出すると草木の若芽を踏んだり、昆虫類を殺傷することが多いので、この制度が始まったとされている」

というのが、そもそもの始まりであります。

やはり仏教では生きものを殺してしまうことをもっとも嫌ったのでありました。

それが『仏教辞典』によれば、

「雨季という明確な季節のない中国や日本でも、陰暦4月16日(または5月16日)から3カ月間、安居が行われ、<夏安居><夏行><夏籠り><夏勤め><坐夏><坐臘>、あるいは単に<夏>とよばれた。」

というのであります。

そして「安居に入ることを<結夏><結制>とよび、また安居中に経を唱えたり、写経を行うことを<夏経>とよんだ。

僧侶の法臘、すなわち僧侶になってからの年数は、夏安居の回数によって数えられた。」

と説明されています。

結夏、結制に対して、夏の終わることを、解夏、解制というのであります。

円覚寺の僧堂の場合は、4月の20日から7月31日まで夏安居であり、8月1日に解制となるのです。

ただいまの日本の僧堂では、雨安居と雪安居と二回結制を行っています。

秋は10月20日からが雪安居になります。

それまでの間が制間といって、基本的な修行は変わりませんが、すこし規則が緩やかになり、事情があれば各自のお寺の帰ってお手伝いをすることなども可能であります。

また昔であれば、行脚と言って、旅をしながら更に修行を深めることもありました。

そのようにして一夏一夏、修行を積み重ねていって、だんだんと禅僧らしくなってゆくのであります。

青山俊董老師の『さずかりの人生』の中に、武井哲応老師のお話がございます。

先日の対談の折にも話題になったことです。

武井哲応老師は、相田みつを先生が生涯師と仰いだ老師であります。

青山老師の『さずかりの人生』から引用させてもらいます。

「武井哲応老師のお話の一節である。

高校時代の同級会の席上でのこと。同級生の一人が文化勲章をもらった。

高校時代にはあまり成績がよくなかった人。同級生が口をそろえて云った。

「お前なんか高校時代はいつもかすんでおって、お前が文化勲章を貰うんじゃ、われわれのクラスには、ノーベル賞を貰う奴が何人もいなければならない」と。

その友は答えた。

「人生というものは一段式ロケットじゃだめだ。どんな威力のあるロケットでも一ぺんきりじゃだめだ。

一ぺん噴射して、そこでまた噴射し、もう一ぺん噴射して方向転換する。それでもダメならまた噴射するというように、無限に軌道修正をしながら進んでゆかなければならない」と。

まさに“発心百千万発”である。

よし、やるぞ、と志をおこしても、人生の旅路は平坦ではない。雨の日も嵐の日もある。病にたおれる日もある。」

と書かれています。

やはり何度も何度も心を奮い立てて学び続けるしかないのであります。

先日も西園美彌先生にお越しいただいてご教示をいただきました。

今回は足と目でありました。

特に目についてのワークをたくさん行いました。

目と足はつながっているというのです。

目についてのワークを行うと、股関節が更に柔らかくなるということについては驚きました。

また目のワークを行っていると、自然と背筋も伸びてゆくのであります。実に不思議な体験でした。

まさに目からうろこの思いでありました。

自分の体だと思い込んでいますが、その仕組みも自分では分かっていないのだと思い知らされました。

こういう目からうろこが落ちるような体験を繰り返していって、だんだん自我がうすらいでゆくのだと思います。

目のワークや肩甲骨をほぐす方法を教わりましたので、これからも実践しようと思いました。

その日はつくばエクスプレスの都合で、一時間ほど講座が遅れてしまい、そのかわりに藤田一照さんと修行僧達とのディスカッションを行いました。

日頃疑問に思っていることについて一照さんに皆それぞれ聞いたのでした。

このようにして実にありがたい先生方との出会いを通じていろいろのことを学び研鑽を深めることができました。

まさによき友に恵まれることはこの道のすべてであると説かれたお釈迦さまのお言葉通りなのでありました。

 
横田南嶺

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