icon_arrow-r_01 icon_tryangle icon_search icon_tell icon_download icon_new-window icon_mail icon_p icon_facebook icon_twitter icon_instagram icon__youtube

臨済宗大本山 円覚寺

臨済宗大本山 円覚寺

  • 円覚寺について
  • 拝観案内・アクセス
  • 境内案内
  • 年間行事・法要
  • 管長のページ 2025.06.18 更新
  • 法話会・坐禅会・
    写経会
  • 御朱印・御祈祷
  • 円覚寺売店
  • お知らせ
  • Q&A
  • リンク

© 2019 ENGAKUJI
ALL RIGHTS RESERVED.

お問い合わせ

2020.08.28
今日の言葉

愚直の尊さ

見知らぬ方から手紙をいただくことがあります。

役目柄、怪文書の如きものが届くこともありますので、見知らぬ方からの手紙を開封する時には勇気がいります。

先日も、そんな思いをして開封して読んでみますと、それがなんと感動する手紙でありました。

その方が、所用があって、とある円覚寺派のお寺を訪ねたそうです。

炎天下、気温が四十度に迫ろうかという中、和尚がお墓にいると表示されていたので、墓地にまわると、遠くからお経の声が聞こえてきたそうです。

近づいてみると、

なんとその暑い中を、和尚が一人で一軒一軒のお墓、ひとつひとつの石塔に丁寧にお経をあげておられたのでした。

その方の手紙には、「和尚の身体から後光が輝いていました」とありました。

炎天下に誰もいないところでお経をあげる姿に感動されたそうです。

その和尚が、鎌倉の円覚寺で修行された和尚だと聞いたので、嬉しくなって手紙を書いたというのでした。

有り難い手紙でありました。

こんな手紙をいただくとは嬉しい限りであります。

その和尚は、たしかに長年円覚寺の僧堂で修行し、更に本山にもお勤めいただいた和尚でした。

在家から出家したのですが、決して器用とは言いがたいところがあって、修行時代にも人一倍苦労していました。

在家から僧侶になっても、なかなか入る寺が見つからないというのが昨今の事情なのですが、実直な人柄を評価されて、今のお寺に入寺されたのでした。

晋山式(住職になったことを披露する法会)も催されて、私も管長として出席し、お祝いを述べたのでした。

以前、どうしているかなと思って突然訪ねてみたこともあったのですが、きれいに掃除をされていたので、しっかりやってくれているなと安心しました。

恩師の松原泰道先生は、「布施無きお経を読め」と仰っていました。

お経を読んでお布施をいただくのが当たり前のようになってしまうと、お布施をいただけるからお経を読むだけになってしまいかねません。

誰からもお布施をいただけないお経をよく読むのだという教えでした。

誰が見ていなくも、実直にお経を読む、これは禅僧の原点であります。

少々不器用であっても、愚直にまさるものはありません。

そういう不断の精進こそ、尊い光を放つのです。

こんな和尚が地方に一人でもいてくれたならば、仏法は滅することがないでしょう。

残暑が厳しいのですが、爽やかな風を感じるお手紙でありました。
 

横田南嶺

愚直の尊さ

前の記事
次の記事

カテゴリー

  • 僧堂提唱(37)
  • 坂村真民 詩(88)
  • 掲示板 (今月の詩)(31)
  • 今日の言葉(2113)
  • 今日の出来事(164)
臨済宗大本山 円覚寺

〒247-0062 鎌倉市山ノ内409  
TEL:0467-22-0478

  • 円覚寺について
  • 拝観案内・アクセス
  • 境内案内
  • 年間行事・法要
  • 管長のページ
    • 管長侍者日記
    • ビデオ法話
    • 回覧板 (おしらせ)
  • 法話会・坐禅会・写経会
  • 御朱印・御祈祷
  • お知らせ
  • リンク
  • 円覚寺売店
  • Q&A
  • お問い合わせ