2019年9月13日

猿は毛虫を食べるか?

本日講義をする仏光国師の語録になかに、
「猢猻(こそん)、毛蟲(もうちゅう)を食らう」という一語が
出てきます。

猢猻とは、猿のことです。
毛蟲は毛虫であります。

仏光国師は、あるときの円覚寺での説法で
真理は、目の前にはっきりと現れているのに
われわれ修行者が、その真理を見て取ることが
できないのだということの
たとえとして、「猿が毛虫を食べるようだ」と表現されいてます。

入矢義高先生の『禅語辞典』の解説によれば、
「猿が毛虫を口に入れたときのように呑み込み切れない。もてあつかいかねる代物」。

呑みきれないものとして説かれています。
真理をしっかりと把握しきれないという譬えなのであります。

ところが、先日、高尾山の猿山を拝見していて
飼育されている方の説明で、
猿は、毛虫でも何でも昆虫を食べるということでした。

上手に、毛虫を土にこすって毛を落として食べるとかいう話でした。

ただ蜂は、毒があるので食べないと言っていました。

ですから、語録では呑みきれないという意味で使われているのですが
実際には、お猿は毛虫を食べるそうなのです。

猿山の猿の解説を
聞いていても、仏光録の一語を思ったのでありました。

写真は、仏光録の講義のために製作しているテキストです。
原文の版本と、漢文、読み下し文、
それに今北洪川老師の註釈(書き入れ)を記して
およその意訳をつけて、これをもとに講義を進めています。

横田南嶺

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