2018年7月9日

とっさのはたらきー関山慧玄ー

 京都の妙心寺を開山された関山慧玄禅師は、とても枯淡な暮らしをしていました。

ある時、雨漏りがして、禅師は寺で修行していた小僧さん達に、

何か器をもって来いと言いました。ある小僧さんは、とっさにザルを持って

差し出しました。禅師は、この小僧さんを大いに褒められました。

 ある小僧さんは、台所に行って、何か良い器がないかと捜して

桶を持ってきました。これに対して、禅師は、役立たずめと言って叱りました。

 常識で考えれば、雨漏りにザルは何の役には立ちません。桶の方がずっと役に立ちます。

しかしながら、禅ではそんな常識を重んじません。

その時、その場、何の分別もまじえずにとっさのはたらきを尊びます。

役に立つとか立たないというのは二の次なのです。

 でも、そうかといって、このマネをしたところで、

禅師から大目玉をくらうことは言うまでもありません。

 あくまでも、その時その場でどう動くか、心のはたらきが問われているのです。

(横田南嶺老師 『武渓集提唱』より)

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