2018年6月20日

逆境こそ修行の好機

 
若かりし日の釈宗演老師

釈宗演老師は、円覚寺に来て今北洪川老師のもとで伝統の修行を終えたあとに、

慶應義塾で英語を学びに行かれました。

 伝統の禅の世界を貴ぶ洪川老師は、宗演老師の慶応行きを快く思ってはいませんでした。 

そこで、長い漢文の文章を送って、宗演老師に、どのような環境にあっても、

仏道修行を忘れぬように諭します。

 その文のなかで、洪川老師は、宗演老師の慶応行きと、昔の大燈国師が、

修行を仕上げたあとに、京の五条の橋の下で、乞食の群れに混じって

修行された故事を引きあいに出して比べています。

 大燈国師の修行は、逆境の中だから、むしろ環境に誘惑されることがないので、

修行しやすい。慶應に行くことは、順境だから、誘惑も多くて修行は難しい。

その困難な中で、敢えて道心を失わず、正念を失わずに慎重に修行して

欲しいと諭されたのでした。

 思うに任せない状況にある時、すなわち逆境にある時こそが、

実は修行にとっての好機なのです。

(後記)

 今日から26日まで、円覚寺僧堂では、1週間に及ぶ集中坐禅修行期間となりました。

僧堂師家である横田南嶺老師をはじめ、和尚、雲水、居士・禅子が禅堂に籠り

坐禅修行に精進しています。

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